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NFBのアニメーションスタジオのついて
NFB(National Film Board of Canada、カナダ国立映画制作庁)のアニメーション部門は、世界で最もオスカー(R)に近いスタジオです。
『Ryan』(クリス・ランドレス監督)、『The Danish Poet』(トーリル・コーヴェ監督)で2000年代になってから2回、特別賞を合わせてこれまでに合計13回、そのうち短編アニメーションは7回のオスカー(R)を獲得しています。
NFBは、カナダの国立機関として優秀なプロデューサーや技術スタッフ、最先端の制作設備に恵まれ、カナダそして世界中のアニメーターの憧れの的となり、1970年代には黄金期を迎えました。
その後も、1万本以上のアーカイブを抱える、世界有数の映像コンテンツ工房として輝かしい歴史を刻んでいます。



疲れた心を癒す、大人のアニメーションを送り出すNFB

NFB.jpg
NFBの作品は、名誉ある国際賞の常連です。例えば、オスカー(米アカデミー賞)受賞は上記のとおり、ノミネートは、数え切れません。

NFBは1939年に誕生して以来、ドキュメンタリー、短編アニメーションを中心とする映画の制作と配給をおこなっています。
1941年にはアニメーション部門が設置されました。
創立メンバーは、スコットランド出身で、時代の先端的な技法を駆使した実験的アニメーションの巨匠ノーマン・マクラレンやビートルズの『イエロー・サブマリン』の監督として知られる、カナダ人のジョージ・ダニングなど錚々たるもので、言葉に頼らないアニメーションによる実験的な広報映画や教育映画の創作に専心したそうです。
その後も、インド出身で変幻自在に動き回る点と線と色彩でアート・アニメーションの新境地を拓いたイシュ・パテル、コ・ホードマンなどの名監督が、カナダに渡り活躍しています。
とりわけ1970年代には、NFBは目覚しい進展を遂げ、アート・アニメーションの天国として、世界中の独立系アニメーターの羨望を集めました。

カナダは建国以来、原住民(カナダ北部などの氷雪地帯に住む先住民族イヌイットなど)と英仏語を話す移住民、アジアやアフリカなどからの移住民が交じり合い、多言語・多文化が常態です。NFBも、映像による広報・教育活動という国家レベルの使命から生まれ、カナダ政府の保護を手厚く受けてきました。
しかし、天国が永遠に続くことは難しく、様々な情勢の変化が激しいこの20年ほどの間は、否応無しに予算と人員・設備が削減され、現在でも政府予算の削減圧力は続いているそうです。
それでも太平洋の反対側の国と比べれば、その支援の深さは比べものにならないでしょう。

国の保護を受けているからと言って、説教臭い政治映画を量産しているのではありません。
作家が伝えたいことがストレートに、あるいは美しく伝わる作品がたくさんあります。

またNFBは、映像表現のグローバル化(均質化)の対極とも言える活動を60年以上も続けています。
砂や人形(こぐまの人形「ルドヴィック」は、日本でも再評価が高まっています)のアニメーションの巨匠コ・ホードマンは、こどもの城のキンダーフィルム・フェスティバル特別企画の招きで来日した時に、「NFBがなければ、私はアニメーションを作り続けられなかったかもしれません」としみじみと語ったそうです。
かつての専属監督システムでは、作家は国家職員として映像制作に専念できました。
そして、NFBは本拠地モントリオール、トロント、ウィニーペグなどに専用スタジオを持ち、熟練スタッフと充実した撮影設備を揃え、完成作品を配給販売し、ライブラリーで保管するという、映画の一生を支えています。
専属監督システムはなくなりましたが、制作支援の活動は今でもNFBの大切な役割です。

ところで、コ・ホードマン氏の出身地をご存知ですか? オランダです。
カナダに移り住み、世界の子供たち・現実社会に疲れた大人たちに夢と希望を与える、アニメーションを手作りしています。
先に、カナダが多言語・多文化な国であると述べましたが、NFBそのものも多言語・多文化で、“異”を認める組織です。
だから、世界中から優れた才能が集まり、多様なテーマやメッセージを受け入れ、手間隙かかる技法でも許容する映像制作者集団になったのでしょう。

ストレス、とりわけグローバリゼーションと呼ばれる均質な効率優先社会の中で疲れ果てた現代日本人に必要なのは何でしょうか? 
数分の映像に数年の制作期間を与えられ、限りないイマジネーションから生まれたアニメーションを見て、省みるのも一考かも知れません。
無垢な気持ちを取り戻して、アニメーションの世界に浸ってみると、明日への希望が湧いてくることでしょう。そんな映画をNFBはサポートしているのです。


参考: 
○ カナダ映画祭2001公式パンフレットから『子どもたちとアニメーション メディア・エデュケーションの教材として最適なNFB 昼間行雄(こどもの城・AV事業部)、『多国籍の芸術家集団NFBのアニメーション 小松沢甫(アニメーション研究家)』
○ Cartoons: One hundred years of cinema animation (Giannalberto Bendazzi著)
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テーマ:映像・アニメーション - ジャンル:学問・文化・芸術

[2009/07/15 19:50] | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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