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ノーマン・マクラレンについて
NFBが産んだ実験映画の巨匠ノーマン・マクラレン(1914?87、Norman McLaren)。
人間をコマ撮りするピクシレーション(『隣人』)やカメラレスアニメーション(『色彩幻想』『線と色の即興詩』)など、彼によって開発された技術は数え切れない。それらは単なる手段ではなく、むしろ目的そのもの――新しい映像表現への飽くなき追求――だった。
だが、「実験映画作家」の堅苦しいイメージはマクラレンには無縁である。
マクラレンにとって映画は「ダンスの一形態」だった。晩年の『パ・ド・ドゥ』や『ナルシス』のように直接バレエに題材を取った作品だけではない。抽象パターン(『色彩幻想』『点』)や文字(『算数あそび』)でさえも、マクラレンの手にかかれば生き生きとした振り付けで踊り出す。
なぜダンスなのか?
一つは音楽との結びつきである。マクラレンは1920?30年代のヨーロッパで発展した実験アニメーション(オスカー・フィッシンガー、アレクサンドル・アレクセイエフ)を受け継ぎ、音楽構造に映像のモデルを求めた。「私の作品の半数は音楽のスピリットを表現した」と彼は回想している。重要なことは物語性ではなく、音と映像の関係性だった。
もう一つはダンスの持つ運動性である。アニメーション(=命を吹き込むこと)の語源通り、あらゆる物が動きを与えられ、人格を獲得する。「動きこそが映画の本質である」とマクラレンは考え、彼の全作品はそこに集約される。

権藤俊司(東京工芸大学芸術学部アニメーション学科 准教授)

補記:マクラレンの1933年?85年までの作品(82本の映画、53本の実験映像)が、ユネスコの三大遺産事業の一つである「世界の記憶(Memory of the World)」に登録されました(2009年7月31日、ユネスコ発表)。

Norman McLaren略歴(NFBのホームページ)

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テーマ:映像・アニメーション - ジャンル:学問・文化・芸術

[2009/09/12 13:00] | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top
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